「まつえレディースハーフマラソン」
2023.03.23
お彼岸の中日を過ぎて、すっかり春の陽気となっています。各地のソメイヨシノも咲き始めていますね。★春の訪れとともに城下町松江を駆け抜ける「まつえレディースハーフマラソン」が先日、好天の空の下で行われました。新型コロナの影響で中止が続いていたので、今年は4年ぶりの開催となるそうです。ここ数年間は練習の成果を発揮する舞台も制限され、選手の方々は体調維持さえ簡単ではなかったと思います。今年は様々なスポーツが制約から解放されて盛り上がってほしいものです。★人々はいつの時代も、鍛え上げられたアスリート達の競い合う姿に熱狂してきました。不思議なものですね。古代ギリシアに発祥をもつオリンピック競技でもやはり人々は熱狂し、盛大な行事となっていたようです。当初の競技は190メートル程度の距離を走る短距離走だけだったそうですが、紀元前5世紀頃には中距離走、武装競走、レスリングやボクシングなどの格闘技も加わるようになったとされています。ただ、古代のオリンピックは単なる競技ではなく、古代ギリシアの人々が繁栄と幸福を願い、神々の父であるゼウスに捧げる宗教的な祭典だったそうです。また、競技の勝利者には豪華な賞品などはなく、神域に生えるオリーブの若枝で編んだ冠だけであったとされています。それでも人々を熱狂させた英雄たちの栄誉は、神々しく揺るぎないものだったのではないでしょうか。★週末にかけては雲の多い天候になる予報になりました。週明けからはまた日差しが戻りそうですね。
「神徒壇」
2023.03.13
3月に入ると気温も上昇して、すっかり春らしくなりました。お彼岸も近くなり、私たちスタッフは何かと慌ただしい日々を過ごしています。★仏教では一般に「仏壇」を置きますが、神道では画像のような白木で造られた「祖霊舎(それいしゃ)」を置きます。仏壇と形状は似ていますが、お祀りする内容は異なります。「祖霊舎」を置く場合は「神棚」とは別の場所に配置するのが通例で、「神棚」には神宮大麻や氏神神社などの御神札をお祀りし、「祖霊舎」には亡きご家族の御霊代である「霊璽(れいじ)」をお祀りします。丹念に造られた「祖霊舎」は凛とした神聖な空間を感じますね。★神道にもお彼岸はあるのでしょうか?というご質問をいただくことがあります。やはり神道でもお盆やお彼岸の時期にお墓参りをするのが一般的で、特にお彼岸は祖先と自然界に感謝する大切な日とされています。仏教が日本に伝わると、やがて神道と互いに影響し合い「神仏習合」と呼ばれる状態となったとされています。明治時代に入ってからは「神仏分離」の気運が高まり、神様と仏様は別々にお祀りされるようになったようです。ただ、神道と仏教ではお彼岸などの儀礼的行事に違いがあるものの歴史的に融合した部分も多く、ともに暮らしに密着した日本固有の信仰に発展したと考えられています。★今日は雲の多い朝を迎えました。久し振りに気温も低くなっているようですね。
「桃の節句」
2023.03.03
厳しかった寒さも和らぎ、季節は冬から春へと変わろうとしています。日中には暖かい日差しも降り注ぐようになっていますね。★今日、3月3日は雛祭り。旧暦では桃の花が咲く時期にあたることから「桃の節句」とも呼ばれます。もともとは紙などで人の形を作り、これに子供の病や邪鬼を移して川に流した「流し雛」と呼ばれる厄除けの行事が起源となっているそうです。この時期に咲いた「桃の花」は美しいだけでなく、厄払いや魔除け、長寿をもたらす力があるとされたことから雛壇にも飾られます。雅を極めた美しく華やかな雛人形の由来が邪鬼払いというのも意外な気がしますね。★中国では古来より桃の木は「仙木(せんぼく)」と呼ばれ、邪鬼を払う呪力があると考えられていたようです。桃膠(桃の木の樹液)から作られる仙薬は様々な効能があり、現在でも用いられます。古事記に登場する日本神話の「伊邪那岐命(イザナギノミコト)」が黄泉の国から逃げ帰る時に「桃の実」を投げて悪霊を退治したという話や、「桃太郎」が勇敢に鬼退治をする昔話なども桃が特別な力を持つと考えられていた証だったのではないでしょうか。いにしえの人々にとって桃の季節の人形は単なる飾りではなく、切なる願いを託す数少ない拠り所の一つだったのかもしれませんね。★今朝は随分と冷え込んだようですが、日中は好天に恵まれる予報になりました。
「梵字」
2023.02.20
暦の節は立春から「雨水」へと変わりました。雨水の頃には雪が雨に変わり、雪が溶け始める頃とされています。実際にはまだまだ寒さの厳しい日もありますが、それでも3月の「啓蟄」にかけて徐々に寒さは和らぎそうです。★「雨水」の時期はお彼岸の1ヶ月前に当たることから、私たちの工房も徐々に慌ただしくなります。特に過去帳やお位牌の戒名入れについて忙しくなるのもこの頃からでしょうか。画像は戒名入れに欠かすことのできない「梵字」。真言宗や天台宗、あるいは浄土宗などの戒名入れにはこの梵字を用いる場合があります。日常ではあまり見かけることのない文字ですが「梵字」とは一体何でしょうか? 一般には日本や中国などの漢字文化圏でのサンスクリット語の呼び方が「梵語」でその文字が「梵字」とされています。また、日本で用いられる梵字は仏教と深い関わりが深く、「悉曇(しったん)文字」とも呼ばれます。空海らが大陸から帰った経典類の中に、この悉曇文字で書かれたものが含まれていたこともあり主流の梵字となったようです。また、梵字は一文字で神仏を表すとされ、お位牌などには宗派の本尊などを表す梵字を上部に記す形で用いられます。随分と昔のことですが、師匠から梵字や戒名の彫刻は「仏さまを彫らせていただくという気持ちで精進しなければならない」と厳しく教えられました。懐かしいですね。★今日は雲の多い朝を迎えました。それほど寒さも感じない一日になりそうです。