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「放生会」

2023.07.20

先週末からは真夏日となる日が続き、屋外での仕事は体力勝負となりました。昨日の午前中は雨模様となり猛暑は少し落ち着きましたが、熱中症などには引き続き注意が必要ですね。★「仏壇開きに生きた魚が必要なのはなぜ?」というご質問をいただくことがあります。一般に、新しいお仏壇をご準備された際には「開眼供養」あるいは「仏壇開き」などと呼ばれる儀式を執り行うことになります。宗派によっては生きた魚などを準備し仏壇開きの儀式が終わってから自然に放つことがあります。「仏壇開き」の場面で生きた魚というのも不思議な感じがしますね。実はこれは「放生会(ほうじょうえ)」と呼ばれる儀式に由来しているようです。「放生」とは生き物を生きたまま野に放つという意味で、捕らえられた魚や鳥を自然に放ち、殺生を戒める儀式とされています。放生会は仏教における「殺生戒」の思想に基づいているとされ、儀式を通して生き物を殺生することなく、そのあと生きたまま放つということに意味があるそうです。「金明光経」の中には天台宗の開祖智顗が、漁民が雑魚を捨てている様子を憐れみ、自身の持物を売っては魚を買い取り放生池に放したとあります。仏壇開きの際にご住職様に魚を数匹ご準備下さいと言われたら、この「放生会」を行うためのものと理解すればいいと思います。★週末からは再び真夏日となる予報が出ています。体調管理には十分留意したいものですね。

「お盆百科」

2023.07.10

先週末からの梅雨前線の影響で松江でも集中的な豪雨となりました。8日の朝から雨が強くなり、一部の地域では避難指示も出されたようです。今朝は小雨が降る程度に回復していますが、地盤が緩んでいる場所もあると思われるので土砂災害などには引き続き注意が必要になりそうですね。★いよいよお盆まであと1ヶ月余りとなり、私たちもお盆の準備のお手伝いで慌ただしくなってきました。例年、この時期になるとお盆のお供え方法についてのご質問を頂くようになります。特に初めてお盆を迎えるお宅では分からないことも多いと思いますので丁寧にご説明させていただいています。また、お盆について分かりやすく解説した冊子「お盆百科」(40ページ)もご準備しています。「盆飾りの馬と牛にはどんな意味があるの?」「施餓鬼って何?」「灯籠流しの意味は?」などお盆の疑問を分かりやすく説明してあり、読みやすい内容になっています。店頭に置いてありますのでご自由にお持ち帰りください。また、盆提灯の組立て方法などが分からない場合はお気軽にご相談下さい。★梅雨明け前の天候は特に不安定になる傾向にあるようです。体調管理に留意して夏本番を迎えたいものですね。

「位牌の修理③」

2023.06.30

梅雨らしい天候が続いていますね。近くの寺院の境内の紫陽花も清涼感のある色合いで咲き誇っていました。★早いもので今日はいよいよ一年の折り返し。この半年間は時間に追われるばかりで慌ただしく過ぎ去ってしまったような気がします。年々、加速度的に早くなるのかもしれませんね。それでも半年を振り返ると良いこともありましたが、反省しなければならないと感じたこともありました。明日からは後半に向けて、心機一転で新たなスタートを切りたいと思います。古くから旧暦の6月30日には「夏越(なごし)の祓(はらえ)」と呼ばれる神事が執り行われていたそうです。これは1年の半分の区切りとなる日に、心身の穢れや災厄の原因となる罪を祓い清める儀式で「六月の祓」とも呼ばれます。明日からはすべての人々にとって一年の後半に向けた新たな出発と言えそうですね。★お位牌の修理は金箔押しが完了し、仮組みしたところです。これが十分に乾けば正式に組み上げとなります。金箔の仕上がりは塗りの完成度と大いに関連しているので、金箔を押す(貼る)前の塗り工程、あるいはその前の下地の工程が重要になります。どの工程でも目に見えない部分に手間を掛けることが要点と言えそうですね。ご依頼者様にとっては長年大切に祀られてきたご先祖様のお位牌。最後まで気を抜かず丁寧に仕上げたいと思います。

「位牌の修理②」

2023.06.20

松江では先週末から好天が続いています。全国的にも夏日となる地域が多くなっているようですね。★暦は移り、明日はいよいよ「夏至」。北半球では1年で最も昼の時間が長い日となり、夏の入り口を思わせる季節の到来です。4月の終わり頃にやってきたツバメが雛を孵してからは軒先が随分と賑やかでしたが、夏至を迎える前にすべて巣立って行きました。我が家では例年のように「夏至」のタイミングでツバメの巣が空っぽになります。元気に成長したことでホッとする反面、少しだけ寂しさを感じますね。来年もまた来てほしいものです。★位牌の修理は塗りの行程に入りました。全体を研ぎ、下塗り、中塗りを施し最後に仕上げ塗りで完成です。刷毛塗りをする場合は、あくまでも薄く塗り、彫刻部分の凹凸が埋まらぬよう注意します。彫刻部分の塗りの薄さと仕上がりの強度は相反する課題なので見極めが非常に難しく、長年やっていても難しいと感じます。師匠からはこの「塗り」の基本行程を厳しく教えられましたが、今でも昨日の事のように鮮やかに思い出します。このあと、水研ぎ、仕上げ塗り、最後に金箔を押して完成となります。★明日からは梅雨の空模様に戻る予報になりました。気温は上昇しそうなので、体調管理や食品管理などに注意したい天候になりそうですね。