「仏壇工場見学」
2023.08.30
日中の気温は高く残暑はまだまだ厳しいようですが、早朝には秋の気配を肌で感じるほどになりました。★例年、お盆が明けると私たちは仏壇工場見学のため、国内有数の産地である徳島県に出掛けます。これは秋から来年にかけて展示する新作仏壇や、そのほか仏壇の制作工程を見学するためのもので毎年出掛けるようにしています。今回はコロナ感染症の影響もあり3年間ほど見学を控えておりましたので久し振りの見学となりました。★画像は工場内の原木を必要な寸法にカットする裁断工程エリアで撮影したものです。原木は約1年間の自然乾燥で木材の含水率を15~20%にまで下げ、さらに高温乾燥室で一旦含水率を10%以下に下げるそうです。その後、自然乾燥により時間を掛けて12~13%に戻すと安定した状態となり、ここで始めてお仏壇を造るための裁断工程に入ります。この工場で造られるお仏壇は時間をかけて丁寧に造られるため、大量生産はできませんがその品質は高く評価されています。現場の方は「大切なご先祖さまをお祀りしていただくものなので、精一杯造らせていただいています」と仰っていました。私たちも取り扱うお仏壇の製作工程を直接確認することで、安心してお届けすることができると感じています。★週末にかけても好天に恵まれる予報になりました。周辺の田園では稲穂が豊かに実り始めていますね。
「残暑」
2023.08.20
お盆が明けてからも日中は厳しい暑さとなっています。まだしばらくは体調管理に留意しなければなりませんね。★お盆にお迎えしたご先祖を見送る「灯籠流し」などは仏教的な行事のひとつですが、眺めていると子供の頃を思い出して懐かしく感じることがあります。日常の中では触れることのない古くからの儀礼的な行事にふと癒される気持ちになるのは本当に不思議なものです。普段は都会にお住まいで、お盆を故郷で過ごされる方にとっては尚更に懐かしく感じられるのではないでしょうか。★「灯籠流し」はインドや東アジア、東南アジアなど広い地域で見られる行事となっているようです。ベトナムやタイなどで行われる「灯籠流し」は日本のものとは少し形態が違うようですが、故人を弔い邪鬼を払うなど宗教的な行事という意味においては同じようです。日本では仏教が長い歳月を経て日本の文化と重なり合い、お盆にご先祖を「迎え火」とともにお迎えし「送り火」とともに見送るという行事に発展し、京都の「五山送り火」や各地の「灯籠流し」などの形で残っています。慌ただしく時間に追われる毎日ですが、時々出会う伝統行事には心が洗われるようですね。★今日も厳しい暑さになる予報が出ています。それでも朝夕に吹く風は少しだけ秋の気配を感じるようになりました。
「お盆」
2023.08.10
松江でも連日のように灼熱の暑さが続きました。時折、雲に覆われて過ごしやすく感じる日もありますが、まだまだ厳しい暑さが続きそうですね。★間もなくお盆を迎えます。私たちの工房での業務も最終段階に入りました。私たちは前年のお盆明けから次の年のお盆までの一年間を一区切りと考えますので、お盆はもう一つの年越しのような感覚になっています。お盆が明けるとその一年間を振り返り、反省点や問題点を踏まえて次の年のお盆に備えます。ただ、実際には考えていた通りに行かないことや、想定していた結果が得られないことも多く、その度に宿題が増えることになります。お盆まであと僅かとなりましたが、気を抜かずにこの一年を締めくくりたいと思います。★2500年前にお釈迦樣は「この世のすべてのことは思い通りにならない」と説かれました。また、世の中のあらゆる出来事も物質も常に変化し、互いに影響し合って成り立っており、単独で存在するものは何一つ無く、すべてがどこかで縁によって繋がり結ばれていると示されました。自分自身もやはり無常であり無我であり、自分の思っている通りには行かないとしています。思い通りに行かないことも、自分が自分以外の全てとの均衡の中で生かされているという証なのかもしれませんね。★週末にはお盆を迎えます。ご先祖や繋がるすべての方々に感謝し心静かに過ごしたいと思います。
「灯籠流し」
2023.07.30
大暑を迎えてからは厳しい暑さが続いています。昨日は松江でも35度を越えていたようです。この時期になると工房では早朝から夜遅くまで作業が続くことになりますが、やはりこの暑さは身に堪えますね。★コロナ禍の影響で中止となっていた松江仏教会主催の「灯籠流し」が昨年から復活し、今年も8月16日の夕刻から松江大橋の南詰付近で法要と共に執り行われます。例年、多くの方々がお出掛けになり、流れ行く灯籠を見送られます。静かに流れる灯籠は幻想的で松江の風物詩にもなっていますね。若い頃はあまり気に掛けることもなかった行事ですが、歳を重ねるごとに様々なことを考えるようになり、灯籠が流れて行く姿が重みのある光景として映るようになりました。今年も出掛けたいと思います。★一昨年から始められた「盆飾りの供物回収と供養」も合せて行われます。回収袋は一枚500円(供養料込み)で当店でも取り扱っています。回収場所は白潟公園東側で回収受付は8月16日午後3時から7時までとなっています。「回収袋」は市内の仏壇店、葬儀会館の店頭にもありますのでご入り用の方はお求め下さい。★全国的な猛暑はしばらく続く予報になっています。外出時には十分注意して無理をしないよう心掛けたいものですね。