「立春」
2025.01.30

今日の松江は肌寒い朝を迎えました。日中の気温もそれほど上がりそうにない予報ですね。★早いもので1月もあと僅かとなり、週明けにはいよいよ「立春」を迎えます。旧暦では立春が一年の始まりとされ「八十八夜」あるいは「二百十日」なども立春を起点に数えた日として定められています。寒さの中で梅が咲き始め、草木の営みにも季節の移ろいを感じるようになる頃ですね。立春の前日の「節分」には邪鬼をはらう「豆まき」なども多くのご家庭で行われるのではないでしょうか。★毎年、この時期になると一年間使用する道具類の手入れをします。画像の蒔絵筆は仏具職人には欠かせない道具のひとつで、漆で仏具へ銘を書き入れたり絵柄を書いたり、お位牌の戒名を書き入れる時などにも使用します。今回は左2本の筆の竹筒部に絹糸を巻いて漆で固めて強度を確保する作業を行います。右側2本は「イタチ」の毛を使用した筆、左2本は「ネズミ」の毛を使用した筆です。イタチの毛の筆は適度に腰と粘りがあり、私は好んで使用しています。一方、ネズミの毛は漆との相性が良く、滑らかな線を描くのに適しています。蒔絵筆の穂先は非常に細く繊細なので慎重に取り扱い、さらに使用後は油に浸して乾くことのないよう厳重に管理します。これらの筆類は大量生産されていないので大切にしなければなりませんね。★立春とは言えまだまだ寒い日が続きます。体調管理には留意して暖かな春を迎えたいものです。