「秋のお彼岸」
2023.09.20
残暑も徐々に和らいで、早朝の風も涼しくなりました。季節はいよいよ初秋ですね。★今日は彼岸の入り。23日が中日で、26日が彼岸明けとなります。お彼岸の行事は、古来より農作が盛んであった日本の太陽信仰(日願)と、仏道修行により悟りの境地である浄土の世界(彼岸)に至るという信仰が合流し定着したものと考えられているようです。現在はご先祖に感謝し、また仏道修行(六波羅蜜)を通して自分自身を見つめ直す期間として捉えられています。江戸時代までは「仏教」ではなく「仏道」と呼ばれていたそうで、「修練」の意味はより大きかったのかもしれませんね。★日本では古くから仏教における「禅」と関連する様々な文化が発展を遂げてきました。「茶道」「華道」「剣道」「弓道」「書道」など根底では仏教と深い関わりを持っています。これらの文化は師匠から学び、厳しい修練を経て高度な技の習得を目指すとされます。ただ、本来の目的は「技の習得」ではなく、技の習得を通して「礼儀」「平常心」「慈悲の心」「忍耐力」「畏敬の念」など人としてあるべき礼節や精神を身につけることであると言われます。一見、非合理とも思えるこれらの文化や価値観は日本固有の大切な精神文化と言えるのかもしれませんね。★慌ただしく時間に追われる毎日ですが、お彼岸にはお墓参りをして自らを省みる時間を持ちたいものです。