「盆提灯の修理」
2023.05.10
「立夏」を迎えてからは爽やかな初夏の風が吹くようになりました。早いもので軒先のツバメも卵を温め始めているようです。★例年、連休を過ぎる頃から盆提灯の修理のご相談をいただくようになります。私たちの工房でも仏具の修理のほか、盆提灯の修理もお盆直前まで行っています。提灯は概ね「木枠」「電装」「火袋」の3つで構成されていて、このうち最も傷みやすいのが「火袋」と言われます。虫食いや経年による傷みが主な原因ですが、多くの場合は修理が可能です。「昨年までは綺麗だったのに、出してみたら虫食いの穴が開いていた」などというご相談が特に多いように感じます。一般に紙や絹を食べる紙魚(シミ)などの小さな虫が原因と思われますが、デンプン質の糊を好物にしている虫もいますので盆提灯の「火袋」は特に被害を受けやすいようです。丁寧に掃除をして収納したつもりでも火袋に直接卵を産み付けることがあり、秋以降に提灯の箱の中で孵化(ふか)した虫が火袋に穴を開けてしまいます。収納する際に防虫剤を入れて、比較的湿気の少ない場所で保管すれば良好な状態を維持することができます。また、電装部品や木地の修理なども可能ですので、損傷のある場合はお早めに専門店にご相談ください。★今日も全国的に好天に恵まれる予報になりました。日中は気温も上昇しそうですね。