「雪化粧」
2023.01.30
穏やかだった大寒前から一転して、ここ数年で一番の積雪となりました。今朝は少しだけ寒さが和らいでいるようです。★この雪で松江城周辺も美しい雪景色となりました。華やかな色彩が溢れる現代社会の中では、時折出会う自然の中の素朴なモノトーンの色調に目を奪われます。画像は数日前の早朝に撮影したものですが、雪が自然の木々の輪郭を際立たせて一枚の水墨画のような風景になっていました。かつての人々が美しい景色を水墨画にして残そうとした気持ちも分かるような気がしますね。★大陸から伝えられた水墨画は仏教の「禅」と深い関わりがあるとされています。水墨画は墨の濃淡だけで描く技法により、ギリギリまで無駄を削ぎ落とすことで描く対象の本質を表現すると言われます。これは「我欲」や「煩悩」を削り取ることに繋がることから、古くは禅宗の僧侶の多くも水墨画を描いたそうです。元来、「禅」には「削ぎ落とすこと」あるいは「手放すこと」で本質的な豊かさを説く思想があるそうで、これも修行のひとつとされたようです。素朴で飾ることのない表現の水墨画は、謙虚さや忍ぶ心を尊重する日本人の自然観や人生観と符合してきたのかもしれませんね。★明日からは徐々に気温も上昇する予報になっています。立春頃からは青空も見られそうですね。