「盲亀浮木」
2022.08.11
間もなくお盆。私たちもお盆前の納品を終え、ホッとする時期になります。今度は自宅の方のお盆の準備で慌ただしくなりますね。★毎年、この時期になると不思議なことに「盲亀浮木」の寓話を思い出します。ある日、お釈迦様は弟子の阿難尊者に「人間として生まれたことをどのように思っているか」と尋ねられたそうです。すると阿難尊者は「大いなる喜びを感じています」と答えます。そこでお釈迦様は「盲亀浮木(もうきふぼく)」の喩えを話されたそうです。「それでは阿難よ、例えば大海の底に一匹の目の見えない亀がいて、その亀が100年に一度だけ海面に浮かび上がってくる。ところがその海の海面には一本の浮木が流れていて、その木の真ん中に穴が一つ空いている。100年に一度浮かび上がるこの亀が、ちょうどこの浮木の穴から頭を出すことがあるだろうか」と尋ねられます。阿難尊者は「そのようなことはあり得ないことだと思います」と答えると「阿難よ、本当にあり得ないか」と更にお釈迦様は尋ねます。「全く無いとは言い切れないけど、そう言ってもいいほど難しいことだと思います」と阿難は答えました。お釈迦様は「誰もがあり得ないことだと思うだろう。しかし、私たちが人間として生まれてくることはそれよりも更に希な、とても有り難いことなのだよ」と説かれたそうです(雑阿含経)。慌ただしい日常の中では思い通りにならないことばかりで、つい愚痴をこぼしそうになりますが、感謝しなければならないことも多いのかもしれませんね。★母里佛具店は8月14日(日)から17日(水)までお盆休みとさせていただきます。18日からは通常営業となりますので宜しくお願いいたします。