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スタッフブログ

「観音菩薩坐像修理①」

2021.05.25

松江は青空の見える朝を迎えました。梅雨に入ってからは雨の日が多くなりましたが、まだ蒸し暑さを感じるほどではないようですね。★私たちの工房ではこの時期からお盆までの間は、仏像や仏具の修理などで慌ただしくなります。画像は修復でお預かりした「柱付丸厨子と観音菩薩坐像」で、分解工程途中のものです。在家用の厨子(ずし)は「丸厨子」と呼ばれるものが一般的ですが、このような柱付の厨子は珍しく、最近では殆ど見ることがなくなりました。この厨子は虫食いなども見られず、大切にされていたことが伺えます。(画像はご依頼者様にご了解を頂き掲載しています)★仏像を修復する場合は施主様のご意向が最優先で、そのうえで当初の仏像製作者の作意を尊重し、最大限にその意図を遺すように心掛けます。また、再び修復されることを前提にした手順が基本で、目に見えない部分も手を抜かないことや、基本に忠実な修復技法が必要になります。技術的なことは師匠から一通り教わりますが実践することはなかなか難しいもので、私も駆け出しの頃は試行錯誤の繰り返しだったと記憶しています。この観音菩薩坐像と厨子も丁寧に修復してからお返ししたいと思います。★週末にかけては雲の多い日もありそうですが、徐々に気温は上昇する予報になりました。