「塗り位牌」
2020.12.15
昨日は松江市内でも初雪が見られました。寒さも一段と厳しくなって本格的な冬の到来を感じますね。★日本でお位牌を用いるようになったのはいつ頃からでしょうか?古い文献によれば、文字として「位牌」が登場するのは鎌倉時代と言われています。義堂周信(1325年~1388年)が記した「空華日用工夫集」の中に位牌の原形が宋から禅宗とともに「木主」の形で伝わったと記されています。中国では儒教において故人の戒名や法号を記した木板のことを「木主」「位板」などと呼び、日本の位牌もこの儒教での形式が伝わったものと考えられています。また、中国で盛んだった各種の漆塗り技法を用いた寺院仏具が伝わったのもこの時代であることから、それらの技法が「塗り位牌」の製法や彫刻技法に影響を与えた可能性もありそうですね。また、日本の仏教では鎌倉、室町時代は百カ日が終わるまで位牌は自宅に安置され、それ以降は寺院の位牌堂に安置されていたようです。自宅に位牌を安置するようになったのは江戸時代以降のことで、忌明け以降にそれぞれの家ごとに位牌を祀るための棚を設けることになり、これが現在の仏壇の持つ役割の源流の一つと考えられています。家と寺院に位牌を祀ることは鎌倉、室町時代以来の風習を引き継いだものと言えそうですね。★今年も残すところあと半月となり何かと気忙しくなりました。体調管理に留意して乗り切りたいものです。